「ロマンティック街道を旅行していると、突然”丸い街”が現れた」そう語る人も多いのが、南ドイツの小さな街ネルトリンゲン(Nördlingen)。この街の最大の特徴は、直径約1kmの完全な円形の城壁とその下に広がる約1500万年前にできた巨大隕石クレーターです。
ネルトリンゲンは、隕石が作り出した奇跡の地形の上に築かれた世界でも珍しい街。中世の城壁を歩きながら宇宙と地球の歴史を体感できる唯一無二の観光地です。
ネルトリンゲンとは:魅力と地理的背景

ネルトリンゲンの城壁から見る風景です。統一感のある赤い屋根と石造りの建物が、中世の雰囲気を今に伝えています。
ネルトリンゲンは、ドイツ・バイエルン州にある人口約2万人の小さな街です。ミュンヘンやローテンブルクと並ぶ「ロマンティック街道」の人気観光地のひとつで、南ドイツ観光では外せないスポットとして知られています。
他のドイツの古都と大きく異なるのは、丸い形の街全体がそのまま城壁で囲まれていること。まるで中世がそのまま残っているような街並みで、進撃の巨人のモデルになったとも言われる独特の景観を持っています。
城壁の上を360度ぐるりと一周歩けるのは、ドイツでここだけです。実際に訪れると、円の中はそれほど大きくないことに気づきます。
私が訪れた時も観光客は多かったですが、混雑で歩けないほどではありませんでした。
ネルトリンゲンの成り立ち|隕石が生んだ奇跡の地形「リース・クレーター」
ネルトリンゲンは約1500万年前、直径1kmの隕石が地球に衝突してできた「リース・クレーター(Ries Krater)」の中心に位置しています。その衝撃でできた盆地地形に街が築かれ、やがて中世の要塞都市として発展していきました。
驚くべきことに、街の建物には宇宙由来の鉱物”スチショバイト(Stishovite)”が含まれています。まさに「地球と宇宙が交差する街」であり、「天から降ってきた街」とも呼ばれるほど、ロマンチックな背景を持つ観光地なのです。
- 直径:約25km(東京山手線の外周とほぼ同じ)
- 形成:約1500万年前、隕石衝突によって誕生
- 現在はユネスコ世界ジオパーク「Ries Geopark」に指定
NASAの宇宙飛行士がアポロ計画の訓練地に選んだこともあるという歴史を持つネルトリンゲン。街歩きの途中で「ここが隕石の跡かも?」と想像すると、一気にワクワク感が高まります。
街をぐるっと囲む「円形の城壁」|中世が息づく美しいシルエット
ネルトリンゲンのもうひとつの特徴は、今も完全に残る城壁(Stadtmauer)です。この街は13世紀頃に建てられた防衛都市で、当時の城壁・塔・門がほぼそのままの形で残っています。
驚くことに、現在でも城壁の上を1周ぐるっと歩けるんです。全長は約2.6km、ゆっくり歩いても1時間ほど。
どこを歩いても絵になる風景に出会えます。城壁の上は屋根付きの通路になっているため、雨の日でも快適に歩けます。
- 屋根付きの通路なので雨の日でも歩ける
- 途中で降りられるので、疲れたら無理せず休憩
- 夏は日差しが強いので帽子や日焼け止めがあると安心
城壁の上を歩くと「まるで中世にタイムスリップした気分」
観光客にも地元の人にも人気のこの散歩コース。歩くたびに鐘の音やパンの香りが漂ってきて、映画のワンシーンのようです。
四季によって風景も変わり、春には花が咲き、秋にはオレンジ色の屋根が一段と美しく映えます。私が訪れた6月は、緑が鮮やかで、城壁から見える木々も美しかったです。
ネルトリンゲンへのアクセス:日帰り観光も可能

この写真は、ネルトリンゲンの街並み。石畳の道と建物が続いています。
ネルトリンゲンは小さな街ですが、アクセスは意外と便利です。ロマンティック街道沿いに位置していて、ミュンヘンから電車で約2時間半、ローテンブルクから約1時間半ほどで到着します。
私は車で訪れたので、駐車場を探す必要がありましたが、旧市街の近くにいくつか公共駐車場があり、スムーズに停められました。駅は街の中心部に近く、降りてすぐに城壁が見えるという好立地。
日帰り観光も十分可能ですが、夕暮れや早朝の街並みも素敵なので、1泊するのもおすすめです。観光地としては有名ですが、ローテンブルクほど混雑していないのが魅力。
小さな街だから、道に迷うこともありませんでした。
- ミュンヘン → ネルトリンゲン:約2時間30分(電車乗り換え1回)
- ローテンブルク → ネルトリンゲン:約1時間30分
- アウクスブルク → ネルトリンゲン:約1時間
アクセスしやすいのに、静かで穴場なのがいい
ネルトリンゲンは観光地として有名ですが、人混みに疲れることなく、ゆっくり街歩きを楽しめます。1日ゆっくり歩いても疲れにくいので、女子旅や夫婦旅にもぴったり。
静かな雰囲気の中で中世ドイツの魅力を堪能できる、まさに穴場の観光スポットです。私が訪れた日も観光客は多かったですが、混雑で歩けないほどではなく、快適に観光できました。
ネルトリンゲンの絶対に外せない見どころ4選

この写真は、ネルトリンゲンの伝統的な木組み建築です。白い壁に赤茶色の木組みが美しく、窓辺には花が飾られています。
ネルトリンゲンは小さな街ながら、見どころがぎゅっと詰まっています。城壁の上を歩くだけでも楽しいけれど、せっかくなら歴史や自然、そして街の雰囲気を丸ごと味わいたいですよね。
ここでは、ネルトリンゲン観光で「行ってよかった!」という声が多い人気スポット4つを詳しく紹介します。私が実際に訪れた場所も含めて解説します。
① ダニエル塔(St. Georg Kirche)|街を360度見渡せるシンボル
ネルトリンゲンの中心にそびえるのが、聖ゲオルク教会(St. Georg Kirche)。高さ約90mの塔は「ダニエル(Daniel)」の愛称で親しまれています。
365段の階段を登ると円形の街並みが一望できる絶景が広がります。私は教会の1階部分だけ見学しましたが、時間があれば塔の上まで登ることをおすすめします。
多くの観光客が「上からの景色は圧巻だった」と話していました。
観光の目玉スポットとして、多くの人が訪れています。朝と夕方では光の色が変わるので、時間をずらして2回登るのもおすすめです。
- 高さ:約90m/階段数:約365段
- 料金:大人約5ユーロ
- ベストタイム:午前10時〜11時の光が柔らかい時間帯
上から見る街が”まんまる”で感動
「まるで地球儀みたい!」とよく言われるこの眺め。上から見ると、街全体がクレーターの真ん中にあることが実感できます。
塔の上では、360度のパノラマが広がるので、ネルトリンゲン観光では絶対外せない体験になると思います。観光写真を撮るなら、ここが一番のフォトスポットと言えるでしょう。
私は城壁の上から撮った写真でも十分美しかったですが、塔の上からの写真はさらに迫力があるはずです。
② リース・クレーター博物館(Ries Krater Museum)|宇宙と地球の接点を学ぶ
ネルトリンゲンが「隕石の街」と呼ばれる理由を深く知りたいなら、この博物館は外せません。展示は、1500万年前の隕石衝突による地形変化や地球外鉱物の発見、NASAの研究などをわかりやすく紹介しています。
英語やドイツ語だけでなく、ビジュアル中心の展示も多いので、子ども連れの観光でも楽しめます。本物の隕石片が展示されていたり、アポロ計画で使われた訓練データも紹介されています。
隕石が落ちた瞬間をCG映像で再現しているコーナーは圧巻です。
- 本物の隕石片が展示されている
- アポロ計画で使われた訓練データも紹介
- 隕石が落ちた瞬間をCG映像で再現
宇宙ファンも唸るリアルな展示が満載
「NASAの宇宙飛行士がここで地質訓練をした」なんて聞くと一気にロマンを感じますよね。この博物館では、ただの地学資料ではなく”地球の記憶”として展示されているのが特徴。
ネルトリンゲンの観光を通して「宇宙と地球のつながり」を感じることができる貴重なスポットです。
③ 城壁めぐり(Stadtmauer)|中世の空気を感じる一周ウォーク
ネルトリンゲンの城壁は、ドイツで唯一完全に一周歩ける城壁。全長は約2.6kmで、途中には11の塔と5つの門があります。
屋根付きの通路になっているため、雨の日でも快適に歩けます。城壁の上から見える赤い屋根と石畳の街並みは、時間が止まったような美しさ。
観光のハイライトとして、多くの人がこの散歩コースを楽しんでいます。朝の静けさ、または夕方の柔らかい光で歩くのがおすすめで、すべて無料で自由に歩けるのも嬉しいポイントです。
- 朝の静けさ or 夕方の柔らかい光で歩くのがおすすめ
- すべて無料で自由に歩ける
- カメラ好きなら広角レンズを持参しよう
屋根の上を歩いてるみたいでワクワクする
屋根瓦の上を歩くような感覚で、360度どこを見ても絵になる光景。途中に小さな展望台やベンチもあるから、のんびり街を見下ろすのもおすすめです。
観光の思い出に残る体験になること間違いなしです。
④ ゲルバ―地区(Gerberviertel)|写真好きに人気の古い街並みエリア
旧市街の中でも特に雰囲気があるのが「ゲルバ―地区」。昔ながらの木組みの家が立ち並び、小川が流れるこの通りは、まるでおとぎ話の世界です。
昔は皮なめし職人の家が並んでいたことから、今でも当時の風情が残っています。観光客が少なく、静かに散歩したい人におすすめのエリア。
朝の光が差し込む時間帯に写真を撮ると美しく、小川沿いにあるカフェでひと休みするのも良いでしょう。人通りが少ないので静かな雰囲気を楽しめます。
- 朝の光が差し込む時間帯に写真を撮ると美しい
- 小川沿いにあるカフェでひと休み
- 人通りが少ないので静かな雰囲気を楽しめる
インスタ映え間違いなしの”隠れフォトスポット”
ネルトリンゲンの観光写真といえば、ほとんどがこのエリアの風景。古い木組みの家と水辺、そして遠くに見える教会の塔が完璧な構図なんです。
昼下がりには現地の人たちがベンチでコーヒーを飲んでいたりして、穏やかな時間が流れています。カメラ好きにはたまらない観光スポットです。
モデルコースと旅のコツ

この写真は、教会の中の一部です。
小さな街だからこそ、効率よく回れば半日でもしっかり楽しめるのがネルトリンゲンの魅力。ただ、街並みをゆっくり味わいたいなら、1泊して朝と夜の表情の違いを見比べるのもおすすめ。
ここでは、時間別におすすめのモデルコースと観光を快適にするコツを紹介します。私の実際の体験も交えて解説します。
半日でも満足できる!ネルトリンゲンの街歩きモデルコース
観光のスタートは、駅からすぐ見える城壁の門から。ここをくぐれば、すぐに中世の空気が漂う石畳の街並みに包まれます。
主要スポットを回りつつ、街歩きを楽しむならこんなルートがおすすめです。私が実際に回ったルートも参考にしてみてください。
街全体を囲む城壁の上を約1時間かけて散策します。赤い屋根が連なる旧市街を一望でき、街の全体像を把握できます。
城壁を降りたら、旧市街のカフェで30分ほど休憩。テラス席で街の雰囲気を楽しみながら、次のランチに備えましょう。
旧市街中心の広場周辺でランチ。歴史的な建物に囲まれた開放的な空間で、地元料理を約1時間かけて楽しめます。
街のシンボル、ダニエル塔を約30分見学。荘厳な内部と周囲の街並みとの調和を楽しめます。
落ち着いた雰囲気のゲルバー地区を約30分散策。観光地とは違う、街の日常の風景を感じられます。
ゆっくり派は”午後スタート→夕景まで”がおすすめ
午前中は観光客が少なく静かですが、夕方の光に染まる街もとてもロマンチック。とくにダニエル塔から見る夕景は圧巻です。
夜には街灯が灯り、昼間とはまた違うしっとりした雰囲気に包まれます。写真が好きな人は、夕方〜夜の街撮影もぜひ挑戦してみてください。
ネルトリンゲン観光の魅力が、さらに深く味わえるはずです。
観光をもっと快適にする3つのコツ
ドイツらしい落ち着いた雰囲気のネルトリンゲンですが、ちょっとした工夫で旅がさらに快適になります。ここでは、観光時に役立つ3つのポイントを紹介します。
- スニーカーなど歩きやすい靴で行こう
- 日曜はお店が閉まるので要チェック
- 夏は日差しが強いので帽子や日焼け止めを持参
日曜は本当に静か…カフェも閉まってるから注意
ドイツでは日曜日は”完全休息日”。スーパーもレストランも閉まっていることが多いんです。
だから観光メインにするか、開いている博物館やカフェを事前に調べておくと安心。歩きやすい靴は必須アイテムです。
平日の方が楽しめる観光スポットが多いので、曜日にも注意してネルトリンゲン旅行を計画しましょう。
私の実際の体験:2023年6月の訪問記

私は進撃の巨人の大ファンで、「モデルになった街」と聞いてネルトリンゲンを訪れることを決めました。2023年6月、車で午前11時に到着。
駐車場を探すのも簡単で、すぐに旧市街に入ることができました。最初に向かったのは城壁。石造りの門をくぐると、目の前に広がる円形の街に「これだ!」と興奮しました。
城壁の上からは、オレンジ色の屋根が一面に広がる景色が広がり、進撃の巨人の世界そのもの。思わず写真を撮りまくってしまいました。全周は歩かずに途中で降りたものの、十分に満足できる体験でした。
城壁を降りた後は、カフェでコーヒー休憩を挟んでからレストランへ。ここで食べたパスタが予想以上に美味しく、日本とは違う味わいに驚きました。ドイツでパスタ?と思うかもしれませんが、ぜひ試してみてください。
午後は、ダニエル塔(聖ゲオルク教会)を訪問。塔の階段は登らず教会内部のみの見学でしたが、時間があれば塔の上まで登りたかったところ。これは次回の楽しみに取っておきます。
ネルトリンゲンは小さな街ながら観光客で賑わっていましたが、混雑で歩けないほどではなく快適に観光できました。円形の旧市街は道に迷う心配もなく、初めての訪問でも安心です。
進撃の巨人のファンとして、城壁を歩きながら「あの世界がここにある」と実感できたのが最高の思い出。また訪れたい、そう思える素敵な街でした。
周辺のおすすめ観光スポット3選

ネルトリンゲンを訪れたら、ぜひ周辺にも足をのばしてみてください。どこもアクセスがよく、日帰りで楽しめるスポットが多いんです。
ここでは、ネルトリンゲン周辺の人気観光地3つを紹介します。
① ハールブルク城(Harburg Castle)|ロマンティック街道の名城
ネルトリンゲンから電車で約20分の場所にある「ハールブルク城」は、ドイツ最古級のお城のひとつ。中世そのままの姿で残っていて、城内ツアーでは騎士の生活や礼拝堂、古い武具などを見ることができます。
丘の上にあるので、そこから眺めるネルトリンゲン方面の景色も最高です。ロマンティック街道屈指の保存状態を誇り、丘の上からの絶景フォトスポットとしても人気。
ツアー参加でガイドから歴史が学べるので、ネルトリンゲン観光とセットで訪れる価値があります。
- ロマンティック街道屈指の保存状態
- 丘の上からの絶景フォトスポット
- ツアー参加でガイドから歴史が学べる
② ライス・ジオパーク(Geopark Ries)|地球の歴史を感じる大地
隕石が落ちたことで形成されたリース盆地一帯は、ユネスコ世界ジオパークに指定されています。車があれば、周辺の展望ポイントやビジターセンターを回ることもできます。
大地の地層や隕石の痕跡が間近に見られるため、地球科学が好きな人にはたまらないエリアです。展望台からクレーター地形を俯瞰したり、化石が残る地層を見学できるスポットもあります。
ネルトリンゲン中心から車で約15分という好立地も魅力。ネルトリンゲン観光の際に、ぜひ立ち寄りたい周辺スポットです。
- 展望台からクレーター地形を俯瞰
- 化石が残る地層を見学できるスポットあり
- ネルトリンゲン中心から車で約15分
③ ドイツらしい田舎の風景を楽しむサイクリングルート
ネルトリンゲン周辺は坂が少なく、サイクリングにもぴったり。クレーターの縁を走る「リース・ルート(Ries Route)」では、のどかな牧草地や村を通りながら360度の大自然を感じられます。
レンタサイクルは駅前で借りられるので、日帰り旅行にも最適です。実際、ネルトリンゲンはクレーター地形の真ん中にあるので、外に向かって少しずつ登っていく感じがします。
風を受けながら広大な景色を走ると、”自然のスケールの大きさ”を体で感じることができます。ネルトリンゲン観光の新しい楽しみ方として、サイクリングもおすすめです。
まとめ:ネルトリンゲンは隕石と中世が織りなす唯一無二の観光地

この写真は、ネルトリンゲンの城壁に残るアーチ門です。進撃の巨人のファンなら、この壁の中に巨人が埋まっているのでは?と想像してしまう光景です。
ネルトリンゲンは、世界でも珍しい”隕石の上に建つ街”。円形の城壁、赤い屋根の街並み、宇宙の歴史を感じる博物館…どれをとっても唯一無二の魅力があります。
派手さはないけれど、歩けば歩くほど深く心に残る街なんです。ローテンブルクやディンケルスビュールと並んで訪れたい場所としても人気ですが、ネルトリンゲンには観光地らしい喧騒がなく落ち着いた雰囲気が魅力です。
もしドイツ旅行で”静かに歴史を感じる時間”を過ごしたいなら、この街を選んで間違いありません。まるで地球の鼓動が聞こえてくるような、不思議な旅になるはずです。
見どころがぎゅっと詰まった街なので、ぜひ一度は訪れてみてください。私は進撃の巨人のファンとして訪れましたが、それ以上に中世の雰囲気と隕石の歴史に魅了されました。
ネルトリンゲン観光は、あなたのドイツ旅行を特別なものにしてくれるはずです。


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